桐ボード 巾はぎ仕様

お客様から、桐ボード(巾はぎ)のご注文を頂きました。

「巾はぎ」とは、小幅の長材を横方向に貼り合せたモノで

厚み15mm 巾910mm 長さ1,820mm サイズのボードです。

この規格品は反り等もあり、木工業の方でなければ取扱いが難しい品ですが、

引出しの側板等に使用されます。

ところで、【桐】から連想されるものとして有名なのは、何と言っても箪笥!

《箪笥》が必要とする機能を、ことごとく持ち合わせている自然素材【桐】。

そんな桐の効力を実現している要因に桐の繊維構造の働きがあります。

それが桐繊維の独立気泡構造。

長年桐の箪笥をつくられている、まさしく桐の専門家の話によると・・

桐は、着火点や発火点が高く熱伝導率が低いため表面のみが炭化し燃焼を妨げる。また燃焼した桐は多くの水分を取込む事が出来るので消火活動によって水がかかると瞬時に水分を吸収し耐火性に変身!そして水分と熱により桐は膨張し、箪笥の隙間を塞ぎ、消火活動の水分侵入を抑制、そもそも桐の浸透性は低いので消火中に箪笥内部が水浸しにもなりにくい・・と言う訳なのです。

生きてますなぁ・この家具は・・。

最近の新居は様々な収納プランがあり、また地震の心配等も相まって、新しい箪笥を部屋に置く・という事が少なくなってきています。

しかし桐箪笥の力を改めて知ると、単なるモノではない、人生を共にする信頼出来るパートナーとしての存在を強く感じます。

先人の知恵が活きる桐箪笥、これもまた失われてはいけないものの一つですね。